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気づきにくいうつをチェックに出陣|病は気から!が通用しない病気

病的な落ち込み

うつ伏せになる男性

気分障害の把握

うつは気分障害の一つですが、気分障害の中でもうつは生涯にかかる確率が3〜4割と高く、決して他人事ではない病気と言えます。しかし、これ程かかる人が多いのにも関わらず、発見が遅れることも多く、個人によっては自死を考える程、深刻化する場合があります。これはうつが高血圧や糖尿病といった身体疾患のように、障害の程度が数値に現れてこないことが原因とされています。また、抑うつ的な気分でさえも、本人の気の持ちようであると片付けられてしまい、受診が遅れることも発見の遅れにつながる原因とされています。それゆえ、気分障害には早めのチェックを行う必要がありますが、数値には現れずともチェックを行う方法はいくつかあります。まず、第一に、世界規模で用いられている診断基準であるICD-10やDSM-4といったものがあります。その中では、病的なうつとなる場合は、気分の落ち込みが2週以上続き、不眠等の周辺症状があるとうつになる等の基準が記されており、精神科医師が問診しながらチェックし、診断を決定付けます。その他には精神科医師の依頼によって、臨床心理士が行う心理検査というものもあります。心理士による気分障害のチェックで最も多いのはSDSと呼ばれる質問紙に沿って行うもので、その他にも、紙に一本の実のなる木を描くバウムテストや、インクのシミを見せ、それが何に見えるのかを答えていくロールシャッハテストというものもあります。臨床心理士が本人に直接会い、気分障害かどうかを直接チェックする場合もあり、数値には現れずとも、チェックの方法もいくつかあります。気分の落ち込みが継続する場合には医療機関で診てもらうと早めの回復も望めます。

気分障害の回復

うつ等の気分障害の回復はチェックを早く済ませることができれば、それだけ回復も早くなります。その回復に向けた主な方法の第一は抗うつ薬等の薬物治療となります。薬物療法は直接的に気分を安定させる効果がありますが、それと同時に生活習慣が乱れないような働きかけも行われます。というのも、生活習慣が乱れ、昼夜逆転した生活が続くと、うつの原因ともなるセロトニン不足になる他、自律神経にも影響し、ますます精神状態が悪化する可能性も出てくるからです。それゆえ、生活習慣というのはかなりの影響力を持ち、決して軽視できないものであると言えるでしょう。薬物療法と規則正しい生活習慣によってある程度、気分が安定してきたら、心理社会的療法というものも行われます。これは社会復帰に向けた取り組みのことであり、具体的なものとしては臨床心理士等によるカウンセリングや認知行動療法の他、精神科デイケア等で行われる社会復帰に向けたプログラム等があります。このプログラムには対人コミュニケーション力を向上させるソーシャルスキルストレーニングがある他、うつの再発防止を図るための疾病教育、体力向上を目的とするスポーツプログラム等があります。デイケア自体も同じ境遇の仲間が多いこともあり、当事者同士で意見を交換したり、助け合ったりすることで自信や安心感を培うこともできます。このように、うつもまた他の身体疾患同様にチェックで早期発見できる他、具体的な回復プランも用意されており、決して絶望視するような疾患でもないため落ち着いて回復に向けて歩を進めていくことが望まれるものと言えます。